城番組の真実
お城人気はますます盛り上がっている。全国の自治体や団体が各種の城の講演会やシンポジウム、イベントを途切れなく開催している。この人気の背景には城の楽しみ方の多様性が確立したことが大きい。天守や櫓（やぐら）が好きな方はもちろん、石垣や堀、土づくりの城の曲輪（くるわ）（防御した削平地（さくへいち））や土塁（防御の土手）を愛（め）でるファンが広がっている。
そして城と写真、城と鉄道、城とコスプレ、城と温泉、城とスイーツをはじめとして、城の楽しみ方の組み合わせは無限である。自分らしさを自由に発揮して、知的でアクティブな時間をすごすのに、城は最適ではないか。こうした圧倒的な城人気を受けて、テレビの城番組が増えている。しかも高い視聴率を記録していると聞く。その結果、ときに私も城番組へ出演するようになった。そこで今回は、城番組の真実をお伝えしたい。
- 天守や石垣だけが城じゃない 千田嘉博さんが「城歩き」で見た景色
城番組では、現地を訪ねて撮影を行うことが多い。放送では千田が自由に城を見てまわって、好きに話しているように見える。しかし世の中はそんなに甘くない。城のどこで何を紹介するかは、綿密な打ち合わせの成果である。そして説明と連動して城の櫓や石垣が、適切に映っているように仕上げている。
1人で出演していると、およ…
